MIWA（ミワ）製シリンダーの鍵開けで起こりがちなトラブルについて

MIWAロックのシリンダー錠は、国内トップシェアだけあって鍵開け依頼の最も多い錠前です。このページでは美和製シリンダーの特徴と鍵開けで起こりがちな、あらかじめ知っておいた方が良いトラブルをまとめてみました。

廉価な割に鍵開け難易度の高いMIWA製シリンダー

国内シェアの60％を持つ錠前メーカーだけあって、MIWAのシリンダーには様々なバリエーションがあります。現行モデルとしては、ロータリーディスクシリンダーのU9、ディンプルタイプのPR、JN（KABA社共同開発モデル）シリンダーと、賃貸住宅で使用されることが多いLB、シリンダーと、それぞれのバリエーションモデルが用意されています。実売価格としては、U9が3,000円台から、PR、JNが6,000円台からと高性能でありながら非常に手頃な価格帯で販売されています。

いずれもピッキング耐性は非常に高く、最も廉価なU9ですら官民合同会議で策定された防犯性基準である、CP認定錠の2倍の耐久性を持っています。また鍵穴壊し耐性についてはそれぞれ3グレードあり数字の大きいモデルほど堅牢です。最上級グレードのG3がそれぞれCP認定錠に指定されています。

WIWA製シリンダーの鍵開け方法

シリンダー錠全般にいえることですが、鍵紛失などで鍵開けを行う場合は、主にピッキングによる開錠と鍵穴を壊して開ける破錠が用いられます。ピッキングは、ピックとテンションいう2本の工具を使用して、鍵穴内のタンブラーと呼ばれる障害物を操作して開錠するもので、ほぼ無傷での開錠が可能です。破錠では、ドリルなどで鍵穴周辺に穴を開けて強制的に開錠します。もちろん鍵穴は壊れてしまいますので事後に鍵穴交換が必要となります。

MIWAの鍵開けで起こりがちなトラブル

先に述べたとおり、MIWAのシリンダーは廉価なものでもピッキング耐性が強く10分間の耐久性を持っています。CP認定の試験方法としては、技術力の高い鍵のプロが3回トライして5分以内で開けられなかった時に、耐ピッキング性能が合格レベルにあるものと認定されます。現場に設置されている錠前のコンディションや作業環境を考えると、10分以上の耐久性を持つシリンダーを短時間で鍵開けするのは非常に困難です。現実的には30分以上鍵と格闘してどうなるか？といったレベルなのです。

ここで問題となるのが鍵開けの目的と作業工賃です。ほとんどのケースで、お客様のニーズは「すぐ開いて作業料金は安く」というものです。作業工賃は作業時間に比例して増えますので、廉価なシリンダー錠の鍵開けに長時間掛けるのは非現実的です。このような背景から最新のMIWAシリンダーの鍵開けは、破錠して交換するケースが殆どとなっています。

ドリル使用による騒音問題も夜間は考慮が必用ですし、マンションなどで逆マスターキーシステムを採用しているケースもトラブルが起こりがちです。単純にシリンダーを入れ替えた場合、エントランス・裏口や駐車場への出入り口の鍵と、部屋の鍵の2本持ちという問題が発生します。このように、カギの紛失などで鍵開けを行う場合は、鍵開け以外にも様々なトラブルが想定されます。もちろん弊社であれば、ご都合に合わせた回避方法をご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。