鍵屋のカギ開けテクニックをご紹介します

鍵を失くして困っている時に鍵屋を呼べば、早ければものの数分で簡単に鍵を開けてしまいます。正規の鍵もないのに、鍵を壊さず開錠するテクニックには驚かれるのではないでしょうか？そんな鍵屋だけが習得しているカギ開けテクニックの全貌をご紹介します。

一番ポピュラーなカギ開けテクニックはピッキング

ピッキングという言葉自体は聞いたことがあると思います。刑事ドラマなどに出てくるあのピッキングです。ドラマでは犯人がこの技術を使っていたりするので、あまり良いイメージがないかもしれませんが、本来は鍵屋が鍵開けの正しい技術として習得するものです。またこの技術は一朝一夕で習得できるものではなく、様々な種類の鍵にひとつひとつ取り組み、少しずつ技術を高めながら習得するものです。簡単に鍵を開けているように見えて、実は人知れずトレーニングして身につけるものなのです。

鍵屋が行なうピッキングの仕組み

では、そのピッキングはどのようにして鍵を開ける技術なのでしょう。その前に、まず鍵の仕組みについて簡単にご説明します。キーを挿し込み鍵穴を回す時、穴の中ではシリンダーと言われる円筒が回っています。このシリンダーが回ることによって鍵の開け閉めができるわけです。ただこれだけだと、細い棒のようなものを鍵穴の中で引っ掛ければ簡単にシリンダーが回ってしまい、鍵は開いてしまいます。それを防ぐため、シリンダーとその外筒にタンブラーピンとドライバーピンと呼ばれる棒が重なって数本貫通し、全てのタンブラーピンとドライバーピンが、シリンダーと外筒の間でパズルのように合った時だけシリンダーが回るようになっています。

キーについている鍵山は、このタンブラーピンとドライバーピンのパズルが解けるよう、丁度同じ形でデコボコなっています。ピッキングの技術は、主にこの鍵山の機能を代替することで鍵を開けるものです。要は鍵穴に正しいキーを差し込んだ時と同じ状況になって、シリンダーが回れば鍵は開けられます。つまり必ずしも鍵穴に合った鍵は必要でなく、ピッキングで合わせてやれば良いということです。

ピッキングに必要な道具

テレビドラマでは、ヘアピンなどでピッキングを行なうシーンがよく見られますが、ピッキングツールと言われる正規の道具が販売されています。もちろん鍵屋以外の所持は禁じられていますが、ピッキングツールは機能の異なる2つのパーツからなっています。まず1つ目は「ピック」と言われる、ピンを揃えるための道具です。鍵山の代わり、と言えば分かりやすいでしょう。もう1つが「テンション」と呼ばれるもので、シリンダーを回す役目をします。ピックでピンのパズルを解いて、テンションでシリンダーを回して解錠する、というわけですね。文字にすると簡単ですが実際はかなり難しく、鍵にもよりますがピッキングツールがあれば誰にでも出来るというものではありません。もし鍵屋に鍵を開けてもらうことがあれば、その技術を間近で観察してみるのも面白いかもしれません。