補助錠が取り付けられていないアルミサッシの危険性について

ご自宅窓ガラスのアルミサッシへ、補助錠の取り付けをされていますでしょうか？現在空き巣の侵入場所として最も多い箇所は、意外なことに玄関ではなく窓ガラスからとなっています。3階建てまでのマンション等であっても5割、一戸建て住宅ではなんと7割が窓から侵入されているという状況です。このページではご自宅の防犯対策を考える上で参考になるよう、窃盗犯の侵入方法と補助錠取り付けのメリットをまとめています。

窃盗犯はなぜ窓ガラスから入ってくるのか？

2000年代にピッキング被害が広がったことから、鍵メーカーはピッキング被害にあった鍵を順次廃番とし、ディンプルキーなど不正開錠が難しい錠前を多数発売しました。このため現在新規で設置される錠前はそれなりに防犯性能が高いものとなっています。また古い玄関ドア鍵を最新の物に変更されるご家庭も増え、玄関ドアの防犯対策は一気に進みました。更にピッキング防止法施行後は、工具類を持って歩いているだけで検挙可能なため、窃盗犯がピッキングを行なうリスクも高まっています。このような背景から、窓から進入するケースが多くなってきているということです。

簡単に侵入可能な補助錠なしのアルミサッシ

最近の空き巣は「ガラス破り」という手法で住宅に侵入します。中でも石などでガラスを割って入る「打ち破り」はかなり荒っぽい手法です。ガラスは割れる瞬間に120dBもの音を出しますので、あまり日本人の空き巣が使う方法ではありません。バーナーなどで熱を加え、急激な温度変化を与えることでガラスを割る「焼き破り」は、まだそれほど広まっている手法ではありませんが、時間が掛かる反面ほぼ音をたてません。「こじ破り＝三角割」は日本独特の手法で、ドライバー（長さ15Cm以内のドライバーはピッキング防止法の「侵入指定工具」に該当しない）をクレセント錠近くのサッシ溝に差し込み、抉ってガラスを三角形に割ってしまう手法です。現在最も多い住居侵入窃盗の侵入方法で、ほとんど物音をたてずに数十秒で侵入可能です。

補助錠付きの窓ガラスの防犯性能

これらの手法に共通するポイントとして、基本的にクレセント錠の近くを割って手を挿し込み、クレセント（サッシについている半月状のツマミ型錠）をひねってサッシを開けるという点です。やはり空き巣にしてみれば出来るだけ物音は立てたく無いため、自分の体が入るほど大きくガラスを割るわけではないのです。このため補助錠が付いたアルミサッシでは、クレセントと離れた場所にも穴を開ける必要があり、侵入に掛かる時間は倍増します。またそれがシリンダー錠タイプの補助錠であれば、開けた穴から手を差し込んでピッキングを行う必要があります。空き巣の立場になって考えればわかりますが、そもそも補助錠をつけている住宅は防犯意識が高いということですから、リスクが高い住宅であることは間違いありません。このため、アルミサッシに補助錠が付いていた場合は、そのまま諦めて逃走する可能性が非常に高くなるという事です。