マスターキーシステムとは？その仕組みと利用メリットについて

マンションやビルの鍵管理にはマスターキーが必須です。みなさんもご承知の通り、マスターキーとはホテルやマンションなどで、全ての部屋を開けられる鍵のことです。その名称と役割は良く知られていますが、どのような仕組みになっているかご存知の方は少ないでしょう。そこでこのページでは、マスターキーのシステムについて解説します。

マスターキーとは？

マンション住人やホテルの客室用の部屋鍵を子鍵といい、自分の部屋の鍵しか解錠できません。それに対して、物件管理人などが所有しているマスターキーは、その建物の複数、多くの場合は全ての鍵を解錠できます。またマスターキーの更にマスターキーに当たる、複数のマスターキーが個別に対応する鍵全てを解錠できるグランドマスターキーと呼ばれる鍵もあります。これはホテルなどで使用されるケースが多いもので、フロアごとにフロア担当者がマスターキーを使用し、全館の施・解錠が出来るグランドマスターキーをフロントで持つといった形で使用されます。

ちなみに「逆マスター」と呼ばれる仕組みもあります。マンションのエントランスなど、全ての住人の鍵で解錠できる鍵です。マスターキーは１つの鍵で複数の錠を開けられるのに対し、逆マスターは複数の鍵で１つの錠前を解錠できる仕組みです。似た名称ですが中身は全く違うものです。

マスターキーの仕組みは？

それではなぜ、マスターキーは複数の鍵を解錠できるのでしょうか？マスターキーシステムを組む鍵グループは、まずマスターキーから作られます。マスターキーシステムを組む錠前の鍵穴シリンダー内にピンが５本あるとして、それぞれをA・B・C・D・Eとします。仮に、ピンの深さを５段階に設定できるとし、それぞれA:3、B:2、C:4、D:5、E:1の深さのときに解錠できるようにシアライン（シリンダーが回る位置）を設定します。そしてマスターキーはこの全てのピンに対応できるように鍵山を作成します。

次に、各ドアに付いているシリンダーの仕組みですが、各ドアの鍵穴は、これらA～E全てのピンを機能させるわけではありません。例えば、あるドアの鍵穴はA・C・Dのピンのみを使用し、B・Eのピンは使用しないことにします。そのシリンダーに対応した子鍵は、A・C・Dのピンのみに対応する鍵山で作成するのです。このように鍵穴ごとに使用するピンのパターンを変えていけば、子鍵は対応している鍵穴しか解錠できません。しかしマスターキーはA・B・C・D・Eのピンが使われている鍵穴であれば、全てに対応できるということなのです。

マスターキーのメリットとは

マスターキーの大きなメリットは、子鍵の紛失時や緊急時に対応できることです。テレビドラマなどでも、緊急時にマスターキーを用いて鍵を開けるシーンをよく見かけますが、ホテルなどで鍵を閉じ込めて、フロントの人にマスターキーで鍵を開けてもらった経験がありませんか？また子鍵の元鍵（メーカー純正オリジナルキー）もマスターキーと呼ばれることがありますが、これは本来の意味ではありません。マスターキーは複数の鍵を解錠できるキーのことを指します。マスターキーシステムの導入など、鍵と住宅のことなら何でも、弊社までお気軽にお問い合わせください。