ピンシリンダーとディスクシリンダーの違いとは

錠前には様々な種類がありますが、玄関鍵をはじめとして最も多く利用されている錠前がシリンダー錠です。シリンダーとは円筒のことで、シリンダー錠では中筒・外筒の2つのシリンダーと、それらを横切る形の障害物（タンブラー）で構成されています。通常はこの障害物によってシリンダーは回らず鍵がロックされています。そして正しい鍵が差し込まれると障害が押しのけられ、シリンダーが回るようになってロック解除できるという仕組みです。このページでは、現在最も市場に出回っているピンシリンダー錠と、（ロータリー）ディスクシリンダー錠の違いについてご説明しています。

ピンシリンダー錠のしくみ

ピンシリンダー錠では、ピンタンブラーというピン状の障害物が、シリンダーが回るのを防いでいます。またピンタンブラーは上ピンと下ピンに分かれていて、その境目が外筒と内筒の境目と一致しない限り回転できません。また各ピンは、外筒にバネで固定されています。このため通常は、バネの力で上ピンが内筒の方まで押し出されており、シリンダーをまたぐ形となっています。つまり、正規のカギが刺さっているときにのみ、ピンが押し上げられて境目が一致するという構造です。

このピンタンブラーを、複数方向に設置可能なのがディンプルタイプのピンシリンダーです。2～4方向にピンタンブラーを設置できるため鍵違い数も多く、従来の刻みキー（ギザギザ鍵）よりも防犯性が高くなっています。また近年生産されているピンシリンダーでは、更に防犯性を高めるために、アンチピッキングピンという部品が使用されることも多くなっています。これはピッキングを行う時に、シリンダーに掛けるテンションを逆手に取ったもので、ピッキングによる不正開錠はかなり難しくなっています。

ディスクシリンダー錠のしくみ

ディスクシリンダー錠には、ディスクタンブラーと言われる円盤状のタンブラーが使用されています。ディスクタンブラーはピンタンブラーと異なり内筒側に設置され、通常はバネの力で外筒へ飛び出す形で障害となっています。そこに正規のカギが刺さると、ディスクが内側へ引っ込んで障害が解除される仕組みです。ディスクタンブラーは薄い金属板で、シリンダー内に数多く設置できため、鍵違い数を多くしやすいという特徴があります。また同時に耐久性にも優れるため、2000年ころまでは圧倒的なシェアを持っていたシリンダー錠でした。しかしいわゆるピッキングにはとても弱く、現在は改良型のロータリーディスクシリンダーに取って代わられています。

防犯性に見る、ピンシリンダー錠とディスクシリンダー錠の違い

ディスクシリンダー錠はその構造から、ピッキングよりも容易なレーキングという手法によって短時間で不正開錠が可能なシリンダーです。普及率が高かったため多くのピッキング被害を生みました。一方、ピンシリンダー錠は構造を複雑にしやすく、何よりもディンプルキーシリンダーやアンチピッキングピンなど、防犯性を高める工夫がいくつも開発されています。もし現時点でディスクシリンダーを使用されている場合は、ピンシリンダーへ交換されることを強くお勧めいたします。玄関やオフィスのシリンダー錠交換は弊社におまかせください。